野菜の規格外カルタのご案内
- Nao Hayasaka
- 2024年11月11日
- 読了時間: 6分
クラファンチャレンジ中⇩より

1.47種の規格外野菜から生まれる47種のフードペーパーで製作
2.各都道府県に根ざした47種の野菜・果物を楽しく謳ったかるた
3.売上の一部を作家収入として参加してくれた農家さんの元へ
プロジェクトの詳細
「野菜の規格外かるた」って?
規格外野菜の規格外を「劣る」ではなく「価値ある個性」に変えるアート作品。
そして、農家さんをそんな個性を生み出すアーティストに変える作品。

初めまして、チームagri-CULTUREです。私たちはSDGsに関わる様々な仕事をするメンバーが集まり、メンバーの共通点である“農業”の新しいあり方をつくるために立ち上がったチームです。

この文化「culture」の語源の通り、農地を耕すことで生まれる規格外野菜には、私たちの心を耕してくれる可能性があるはず。その可能性を解放するようなアート作品を規格外野菜からつくったらどうなるだろう?きっと、みんながもっと野菜の魅力に出会えるし、野菜からインスピレーションを受けるかもしれないし、その野菜をつくる農家さんはアーティストとして活躍できる。そして、それは結果的に規格外野菜の廃棄問題や農家さんの後継問題のような課題解決に繋がってくれるはず。そんな農業界の未来を目指して「agri-CULTURE」を立ち上げました。
規格外野菜の規格外を「価値ある個性」に、農家をアーティストに変えるアート作品の第一弾としての“野菜の規格外かるた”はこうやってつくります!
小倉百人一首かるたと並んでよく遊ばれる、いろはカルタ。江戸時代にできたこの娯楽は、札に書かれた句を読み上げては、取り手がそれに見合う絵札を多く溜めたものを勝ちとする遊び。いろは47文字から始まる教訓的な諺や譬(たとえ)が書かれており、その言葉は軽妙で日常生活の規範と同時に楽しみとして親しまれてきました。
この「いろはカルタ」を規格外野菜についての教訓的なオリジナル諺や譬(たとえ)が書かれた野菜版にアップデートしていきます。
いろはカルタの札は47枚。せっかくなら全国47都道府県に所縁のある47種の野菜(果物を含む)について学べる&出会えるカルタにしたい。ということで、全国をまわります。そして全国47都道府県の農家さんを一軒一軒お訪ねし、流通に出せなかった規格外野菜を冷凍して譲っていただきます。
廃棄される野菜や果物から作られた、食物由来の100%土に還る紙文具ブランド「フードペーパー」を開発した越前和紙の老舗工房・五十嵐製紙さんにご協力いただき、全国から集めた規格外野菜を1種類ずつ丁寧に紙にしていただきます。それぞれの野菜の持つ独特な風合いが楽しめる紙になります。

人参から生まれたフードペーパーで人参についての諺や譬(たとえ)が書かれた札を作る。といった形で、全国47種の規格外野菜から生まれた47種のフードペーパーで47種のカルタ札を作ります。読み札には、47種の野菜(果物)に対応した、その野菜が学べる新しい諺を開発。絵札にはその野菜のかわいいイラストが描かれます。

農業に関わる根っこの問題を解決したい。
★規格外野菜の廃棄問題
日本の農家が直面する問題の一つに、規格外野菜の廃棄があります。 品質や味には問題ないにもかかわらず、見た目だけで出荷ができないため、多くが廃棄されてしまうのが現状です。 近年、フードロス削減への関心が高まる中、規格外野菜の廃棄量も大きな課題となっています。
処分される規格外野菜の割合は、出荷されなかったものを規格外野菜だと仮定すると、121.8tにのぼり、これは農林水産省の作況調査による収穫量(916.7t)のうちの約13%にあたります。
また、出荷後に売れ残ってしまう規格外野菜も多く、カット野菜や加工品として商品になることもありますが、ほとんどが廃棄されているのが現状です。
★農家の担い手問題
日本の農家の問題2つめは、担い手の減少です。農業における人手不足の原因には、仕事量の不安定さも関係しています。 気候危機において、農業は1年を通して安定した作業量があるわけではなく、限られた時期にのみ多くの労働力が必要です。収入が安定しないリスクもあり、農業をやりたい人がなかなか増えません。
私たちが農業に関わる課題に取り組もうと思った背景には、チームメンバーの一人である佐藤の経験談と想いがあります。佐藤は、山形県鶴岡市(旧櫛引町)馬渡という集落で専業農家を営む両親の長男です。品目は、果樹 庄内柿200本(15ヘクタール)水稲、稲作(1.5ヘクタール)露地栽培で浅葱(1ヘクタール)だだちゃ豆(3ヘクタール)。
*品目については、今のように農家一軒単体で決めるものではなく、農協の指導、八百屋、市場からの要請による。

<佐藤のコメント>
幼少期、学生時代は、休みとなれば農作業がいつも何かしらあり、繁忙期(収穫時など)は兄妹、祖父母と共に、時には親戚にも手を借りながら作業を行なっていました。
農家の長男は農家を継ぐものという風潮が親戚、地域に色濃く残っており、進路を選ぶ自由な雰囲気はありませんでした。それは、父親の学生時代には皆無だったのだろうと思います。
小さな頃から「重い、汚い、暑い、寒い」など、自然相手の過酷な肉体労働に、農業という仕事にポジティブな感情を抱くことはなかったです。長男として農業に深い興味はなく、なんとなく責任を感じて手伝っているだけで、モチベーションはない。そんな状態でした。
社会で働くようになってからも、両親の農業をサポートしていますが、兼業という形ではありません。両親が継続していたいと思っている間は支えてあげて、自分が出来ることを行うだけで、農業を継ぐことは考えていません。
私の周りには、似たような境遇の農家が多く、そのような状況を生み出している要因はいくつかあります。
・ビジネスとして拡大させにくい。
天候など不確定要素の影響が大きいだけでなく、地域特性や文化に直結するビジネスゆえに、新規品目や新規農法への切り替え・参入が難しい。さらにはそうしたビジネスとしての安定のためには大量の設備投資、人員投資など多額の資金が必要となる。
・いまだに労力がかかる。
機械化が進んでいるとはいえ、手作業、力仕事が多い。
・技術習得にかかるコストが大きい。
地域独自の栽培技術、品目別の栽培特性、毎年変わる気候の変動など、習得に時間と経験を要する。
・効率的な農地設計が難しい。
土地に紐づくビジネスなので、縄張り意識や昔からの制約などで理想的な農地集約や農地設計ができない。
・ビジネスとしての言語や文化が浸透していない。
農業経営者ではなく、生き方として農業を選ぶ職人気質な方が多く、ビジネスとして継承していくのが難しい場合が多い。
私たちの取り組む規格外野菜のアートプロジェクトを通して、農家さんがアーティストとして参加することで「規格外野菜=魅力ある個性」へと進化させ、価値を見い出し、アーティストとしての収入を得ることができ、課題の根源的な解決を図る。

食品ロスの根本的な解決の為に、食品ロスの素材をを食品で解決するのではなくアートにし作品として未来へ繋ぎ、農業をクリエイティブで楽しいものにしていく。
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